遺言の薦め

　生きている間に家族など大切な人たちに言いのこしておくこと、それが「遺言」です。
あなたが遺言したいと思うのは、どんなことでしょうか？

　築き上げた財産をどのように相続させるのか。特に世話をしてくれた人に財産上のお礼をしたい、あるいは子供たちが仲良く暮していけるように平等な納得感のある遺産分割を指定したい。これらは遺産の相続になるので、法律上の効力のある「遺言」にすることが必要になります。

　あるいは、あなた自身の終末医療やお墓、葬式などについての希望、あなたが生きてきた人生の軌跡や得た教訓などを遺族に伝えるこころの遺言を残したいのでしょうか。この場合は法律上の効果を問題にせずに自由にあなたの心が遺族に伝わるような言葉を残すことができます。この遺言は、遺された人の心の中でずっと生き続けます。金やモノなんかより、ずっと素敵な「遺産」なのかもしれません。

　法律上の遺言は遺言を残しておかないと大変なことになることがあります。また、遺言の真正や改ざんが疑われたりしてはかえって遺族を混乱させることになりますので、法律上の厳格な手続きを経なければなりません。一方、こころの遺言は「尊厳死の宣言書」などを除いては自由にあなた自身の表現で行うことができます。

　上に述べたように、私は「遺言」を「法律上の遺言」と「こころの遺言」の２つに分けて考えています。これからそれぞれの「遺言」について説明しますが、「こころの遺言」は原則自由ですから、ヒントになればと思うことにとどめます。「法律上の遺言」は民法その他の法律に従って正しく効力を発揮するように作らねばなりませんので、ややこしい法律の話が出てきます。出来るだけわかりやすくお伝えするように努めます。

法律上の「遺言」

こころの「遺言」

遺言が必要な場合

遺言事項

遺言の方式

遺言の撤回

遺贈

遺言書の検認・開封

遺言執行者

遺留分

任意後見制度

死を前にしたときの望み

死後の望み

自分史

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